2026年8月14日金曜日

329 概念の再整理と「Excel表計算」による時空モデル

概念の再整理と「Excel表計算」による時空モデル

1. 「網膜を使うか・使わないか」による3区分の再整理

第328回の議論を踏まえ、対象を認識する際の「網膜の有無」を基準にして、概念を再度整理します。

区分 網膜の使用 説明
存在 使わない 「頭ん中」で管理する情報。住所録のセル「B5」に情報があることを、自分以外のヒトと共有する社会的な合意。
イメージ 使わない 「頭ん中」で他人の知識(受け売り)を元に、「これがホントだ」と判断して構築したシミュレーション像(イデア)。
見かけ 使う 光源(存在)から派生した光線が、夜空スクリーン(網膜位置)で相互作用を起こし、輝点として見える姿。

例えば、2026年現在の「現地のベテルギウス」が超新星爆発の後なのか前なのか、私たちは直接知ることはできません。「見かけ」には時間差(光の旅行時間)があるためです。

2. 認識における「3つの世界」の構造

上記の区分を、空間や時間をどのように扱うかという視点で「3つの世界(層)」に分割しておきます。

想像界 下層「現実世界」
時間の流れがある世界。
光線と網膜が相互作用する身体の世界。
↑↓
想像界 中層「想像世界」
形や剛体空間を扱うイメージの世界。
ホンモノの「時の流れ」はない。
↑↓
想像界 上層「象徴世界」
データや数値をExcelの表や数学空間で扱う抽象世界。

3. 象徴世界における「Excel表計算」での時空管理

観察行為とは、時間の流れる世界での相互作用です。これを「象徴世界(数学空間)」で扱うためには、データとして整理する必要があります。

空間位置を「列 (Column)」、時刻を「行 (Row)」に見立てて、Excelのセル番地を作るように記述します。

例:ベテルギウスの超新星爆発を記録する
光の旅行時間を1000年とした場合、2027年に地球で爆発の光を観測したなら、現地時間では t = 1027 の出来事になります。

これを表計算で記述すると、以下のようになります。

時刻 (行) x列 (空間成分) y列 (空間成分) z列 (空間成分)
t = 1026 (通常の恒星状態) (通常の恒星状態) (通常の恒星状態)
t = 1027 超新星 爆発 超新星 爆発 超新星 爆発
t = 1028 (爆発後の状態) (爆発後の状態) (爆発後の状態)

このように、同じ現場の事象を3つの空間セルに分けて書き込むのが「象徴世界」での情報管理です。

4. 空間座標の1列化と「連続性」の喪失

さらに記述を簡略化し、3次元の空間 (x, y, z) の位置情報を1つにまとめて「1つの列」として扱い、時間を「行」として並べるとどうなるでしょうか。

時間 (行) 空間位置 (列1)
行1 (t=0) ( 0, 0, 0 ) 番地
行2 (t=1) ( 1, 0, 0 ) 番地
行3 (t=2) ( 1, 1, 0 ) 番地
抽象化の代償:バラバラになる空間
頭の中の「想像世界」では、剛体が球体の形状を維持したまま回転したり、連続して移動する軌跡をイメージできます。
しかし、データをExcelのような「1×1の表計算空間」に並べ替える手続きを行うと、連続移動の直線や曲線が「飛び飛びの位置への移動」になってしまいます。

表計算のセル番地で管理された空間は、実際の座標空間の「隣接状態」とは異なるものになります。剛体的な部分空間が解体され、数学の抽象手続きによってセルの中にバラバラに並べられていくのです。

頭の中(イメージ空間)
ユークリッド幾何学的な空間。
連続した移動や剛体の回転が描ける。
データ化↓
表計算・テンソル空間(数学空間)
時間成分と空間成分を番地に割り当て。
連続性が失われ、飛び飛びのデータ群になる。

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